圃場より _vintage2023

10月、山田錦の稲穂が葉先より長く伸び、首を垂れて黄色く色づく季節。圃場に風が渡り、一斉に揺れる様子は、煌めく金色の波のようです。その頃、穂先には蜘蛛があちこちに巣を張っています。そして株元にはたくさんの蛙が。
有機的管理を続けていると、生き物の数や種類の多様性に驚かされます。蜘蛛や蛙がいるおかげで、米にとって害虫とされるカメムシやウンカの個体数が減ってきました。圃場は色々な生き物が息づく場所であり、そのバランスの中に米が生きています。
その尊さを感じながら圃場を見ると、秋の朝、露を宿し陽を浴びて、風に揺れる稲穂と蜘蛛の巣は、より美しく感じるのです。

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